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カレーのルウがないと思って買ったら、奥から二箱出てきた。
三箱になりました。しばらく献立には困りません。困っているのは収納です。
こんな場面を想像すると、パントリーに欲しいのは「たくさん入る」だけではないと分かります。何があるか見えて、次に使う物が取れて、買ってきた物を戻せること。棚の奥に入ったまま忘れるなら、広げても同じことが起きそうです。
パントリーは1畳でいいのか。棚は30cmか45cmか。検索すると数字がたくさん出てきますが、先に測りたいのは家ではなく、普段買っている箱や収納ケースのほうです。
今日は、買い物袋を床へ下ろしたところから考えてみます。きれいに並んだ完成写真の、一つ手前の話です。
パントリーは畳数を決める前に、食品の棚・大きな物の置き場・出し入れする場所を分けます。棚を深くして増える収納量と、奥の物を取り出す手間は、別々に見ておきたいところです。
買い物から帰った直後が、パントリーの本番
食品、飲料、キッチンペーパー。まとめ買いした日の袋を思い浮かべてください。全部を同じ棚に押し込むのは難しいはずです。大きさも重さも、使う頻度も違うので。
それなのに図面を見ると、「パントリー1畳」という四角で話が終わってしまうことがあります。部屋の名前は決まった。でも、段ボールはどこで開くんでしょう。
袋をいったん置く場所があるか。冷蔵庫へ入れる物と常温の物を分けられるか。飲料の箱を持ったまま、扉を開けられるか。帰宅してから棚に収まるまでを続けて考えると、必要な場所が見えてきます。
仮置きのためだけに広い部屋を増やす必要はありません。近くのキッチンカウンターを使えるなら、それで済むこともあります。家全体でできることまで、小部屋の中へ詰め込まない。
料理中の一往復も見ます。ストックを取りに行くたび、引き出した椅子をよけるのか。冷蔵庫を開けている人に待ってもらうのか。玄関から近いことだけでなく、使う場所から取りに行く場面も想像したいです。
棚は30cm?45cm?まず「入れたい箱」を連れてくる
浅い棚は奥を見渡しやすい。深い棚は大きな物を置きやすい。ここまでは分かりやすいのですが、そこから「全員30cmで正解」へ飛ぶと、箱がはみ出します。
エイ・ワンの公式解説も、収納する物のサイズや量を確かめ、棚の幅・奥行き・高さを決める考え方を示しています。[1]棚に合わせて持ち物を買い直す前に、今ある物を測っておくほうが話が早い。
たとえば、お気に入りの収納ケース。本体だけでなく、取っ手や縁を含めた外寸を見ます。棚へ入ったあと、扉は閉まるか。持ち上げる手は入るか。「入る」と「使える」の間に、まだ少し仕事があります。
| 入れたい物 | 測るところ | 図面で確認すること |
|---|---|---|
| 食品をまとめたケース | 取っ手を含む幅・奥行き・高さ | 引き出す方向と手を入れる余白 |
| 飲料・米などの大物 | 普段買う容器や箱の外寸 | 持ち上げ方、置く高さ、荷重条件 |
| 使わないときの調理家電 | 本体・付属品・収納する向き | 扉との干渉、出し入れのしやすさ |
| 予備の紙類 | 買った包装のままの大きさ | 袋を開ける前でも置けるか |
ESSEonlineの花谷華子さんの実例では、収納する物を測った結果、奥行き30cmで収まる物が多いと分かり、その深さを選んでいました。[2]参考になるのは「30」という数字より、測ってから選んだ順番です。
同じケースを使うとは限りませんし、同じ量を買うとも限りません。きれいに収まった写真は、その家の持ち物との組み合わせ。うちの米びつまで出演しているわけではないので。
深い棚をつくるなら、奥のルウに帰り道を
手前に新しい食品。奥に古い食品。この並びで手前から使い続けると、奥の物はなかなか出番が来ません。容量が増えたのに在庫が見えない、ということが起こり得ます。
ここで浅い棚だけを正義にする必要はないと思います。深い棚でも、同じ種類をまとめたケースごと手前へ引き出せるなら、奥を確かめる方法になります。重くて持てないケースにしないことも含めて、使い方との組み合わせです。
奥を見るとき、手前の物を動かす。
中身を確認できる量に
引き出す場所と、持てる重さを確かめる。
深い棚へ、小さな食品を何列も詰め込まない。大きな物には大きな置き場を用意する。細かなストックは、手に取れるまとまりにする。棚全部を同じ深さにそろえる以外の案も考えられます。
そして、買い物前に見える位置へ、よく買い足す物を置いておく。開けた瞬間にルウが二箱見えたら、三箱目を買わずに帰れるかもしれません。パントリーに、せめてそれくらいは協力してほしい。
1畳の中に、棚だけでなく自分も入る
ウォークイン型で気になるのは、棚を増やしたあとの立ち位置です。棚板の面積が増えても、物を引き出すと身動きが取りにくいなら、その収納を快適に使えるとは限りません。
説明用に、内幅140cmの空間を仮に考えます。左右の棚をそれぞれ30cmにすると、中央は80cm。左右45cmなら、中央は50cmです。
この図で言いたいのは、80cmなら必ず十分ということではありません。同じ幅の中で棚を深くすると、人が使える部分も変わる、という関係です。
箱を持って入る。しゃがんで下段から取る。ケースを手前へ出す。そのとき体をどこへ置くか、実際の物と動作で確かめます。家族二人が同時に出入りするなら、一人の立ち姿だけで決めない。
壁面収納なら、人が立つ場所をキッチン側と共有する案もあります。ウォークインという名前にこだわらず、どこまで収納、どこから作業や通行に使うのかを図面で見比べたいところです。
全部を可動棚にすれば解決、でもない
高さを変えられる棚は、買う物が変わったときに調整しやすい。便利です。ただ、変えられるのが高さでも、棚の奥行きまで伸び縮みするわけではありません。
DAIKENの内部ユニット「FiTIO」では、パントリーにも使える製品として、側面棚柱と背面棚柱のタイプを案内しています。[3]棚と一言で呼んでも、支える方法や部材が違います。採用する製品と取り付け条件を確認しておきます。
何を何箱置くかを伝え、棚板・支持金具・施工条件に合う荷重を設計担当者へ確認します。「丈夫そうな板だから大丈夫」では決めません。
よく使う物を、無理なく手が届く位置へ。頻度の低い物も、取り出せる重さと高さへ。空いているから上へ押し込むだけでは、棚は埋まっても使い勝手は決まりません。
また、家電をしまう棚と、家電を動かす棚は別に考えます。収納できたから、その場で加熱して使えるとは限りません。使用時の周囲の空間や蒸気、電源などは、その機器の取扱説明書を確認して設計者へ相談してください。
扉を閉めた写真より、開けて使う時間が長い
扉を閉めると、生活感がすっと消える。あれは魅力です。けれど料理中は、中の物を取りに行きます。開いた扉が立つ場所をふさがないか、ケースとぶつからないかも見たい。
| 選ぶ形 | 確かめたい場面 |
|---|---|
| 扉なし | リビングからの見え方と、物を戻した状態 |
| 開き戸・折れ戸 | 開けた建具、体、ケースが重ならないか |
| 引き戸 | 開けた側から必要な棚へ手が届くか |
扉なしなら散らかる、扉ありなら片付く、とは思いません。扉を閉めると、散らかりが外から見えなくなる。それと、戻しやすい収納かどうかは別です。
迷ったら、いつもの買い物のあとを思い出します。袋から出してすぐ棚へ戻したいのか、来客から見えないことを優先したいのか。自分たちが面倒に感じる動きを減らせる形を選びます。
図面を広げる前に、買い物一回分を撮っておく
パントリーを広げたい、と相談するとき、僕なら普段のまとめ買いを一枚撮って持っていきます。おしゃれな収納写真ではなく、飲料の箱と食品の袋が並んでいる写真です。
何を置きたいかが伝わるし、買い物の量も話せる。使い回したい収納ケースの外寸を添えれば、棚の話にも進めます。写真を撮るために、いつもより買い込む必要はありません。平常運転が資料です。
家の広さを変えずに、壁面収納で足りるのか、人が入る形にするのかを相談する。すでに設計担当者がいるなら、その人と詰めていけばいい。住宅会社を選ぶ段階なら、キッチン全体をどう納める会社かを見る材料になります。
パントリーでよく迷うこと
1畳あれば十分ですか?
入れる物と棚の形で変わります。同じ面積でも、収納に使う部分と人が入る部分は違います。畳数に加え、棚の実寸と使う場所まで描いた図で確かめます。
奥行き30cmの棚なら失敗しませんか?
ケースや家電が収まるかは実寸次第です。取っ手が出る、扉が閉まらない、持ち上げる手が入らない、といった点まで確認します。数字だけを正解として持ち込まないほうが話は進みます。
今の収納ケースは買い替えたほうがいい?
使いやすいなら、まずその外寸を新居の計画へ伝えてみてください。そろえることが目的ではありません。中身を出し入れしやすく、棚に合うかで選びます。
たくさん入るより、ある物を忘れない棚へ
買い物袋を下ろす。仕分ける。しまう。料理中に取り出す。パントリーは、この一連の動きを助けてくれると頼もしい。
棚の深さは入れたい物から、広さは人が動く場所まで含めて考える。完成写真のように毎日整っていなくても、何があるか分かって、すっと取り出せれば十分うれしい収納です。
カレーのルウは、
買う前に見つかってほしい。
パントリーを広げる前に、キッチン全体の案を見たい方へ
「1畳を追加する」以外にも、壁面収納の取り方やキッチンの配置で変わる余地があります。住宅会社をまだ選んでいるなら、収納したい量が分かる状態で、間取りの提案を依頼するところへ進めます。
買い置きが見渡せる。飲料の箱が置ける。買い物袋を片付けるときに困らない。希望欄には、そんな使い方から書いてみてください。
タウンライフ家づくりは、選んだ住宅会社へ間取りプラン・資金計画・土地探しの提案をまとめて依頼できる無料サービスです。会社ごとに提案内容・方法は異なります。[4]
収納の希望を含めて、家づくりの提案を依頼する
棚だけの購入・収納用品の相談窓口ではありません。すでに住宅会社が決まっている方は、今の設計担当者へ相談してください。
参照した資料・実例
- エイ・ワン:パントリーは後悔する?新築住宅のキッチン収納計画(収納物と棚の寸法)
- ESSEonline:奥行き30cmの棚を新居に設置。キッチン、玄関、リビングが使いやすい(花谷華子さんの個人事例)
- DAIKEN:内部ユニット FiTIO(棚柱タイプとパントリー用途)
- タウンライフ家づくり公式(サービス内容・提案方法の違い)
資料確認日:2026年9月28日。寸法図と買い物の場面は著者の説明用の例です。

