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わが家のLDKは、キッチンとダイニングを横に並べ、リビングだけを直角方向へ振ったL字型です。
住み始めて約2年。僕はこの形にかなり満足しています。理由は、見た目がおしゃれだからではありません。料理を食卓へ運ぶとき、食べ終えた器を戻すとき、ダイニングからテレビを見るとき。そのどれもが、毎日の動きに素直だからです。

LDKの形を調べると、I型、L型、コの字型など、いろいろな呼び方が出てきます。でも、家づくりで本当に決めたいのは名称ではなく、つくる・食べる・くつろぐを、どうつなぐかです。
キッチンとダイニングの往復を短くしつつ、リビングには少しだけ別の居場所感がほしいなら、横並びDK+直角リビングのL字型は有力です。反対に、LDK全体を一直線に見渡したい、家具を動かしやすくしたいならI型も強い。形より、そこで繰り返す動作で選ぶのが後悔を減らします。
わが家のL字型LDKは、こう並んでいる
上から見た位置関係は、右にダイニング、その左隣にキッチン、キッチンの下側にリビング。実寸図ではありませんが、配置だけ抜き出すと次の形です。
つくる
食べる
くつろぐ
一般的な解説では「L字型は空間を緩やかに分けやすい」「横並びダイニングは配膳と下膳の距離を縮めやすい」と説明されます。複数の施工事例や居住者の体験談でも、同じ利点が繰り返し挙がっていました。
ただ、僕が伝えたいのは一般論ではなく、実際に住んでいるわが家で何が良かったかです。
1.食卓へ出す動きが、横方向で終わる
料理ができたら、キッチンの横にあるダイニングへ運ぶ。回り込んだり、リビング側の通路を横切ったりする必要がありません。お皿が一枚なら小さな差ですが、主菜、ご飯、汁物、飲み物と回数が増えるほど、この近さが効いてきます。
わが家では「配膳のための特別な動線」がない感覚です。調理の続きとして横へ移すだけ。毎日繰り返す動作なので、派手さはなくても満足度が高い部分です。
2.食後の片付けも、同じ短い道を戻る
横並びの良さは、料理を出すときだけではありません。食べ終えた器をキッチンへ戻すときも、移動はほぼ逆再生です。テーブルからシンク側へ短く戻せるため、片付けを始めるまでの心理的な面倒が小さくなりました。
今回読んだ施工事例と居住者の記事でも、料理を出すときと器を下げるときの両方で、移動距離の短さが利点として挙げられていました。僕が暮らして感じている便利さとも重なります。
3.ダイニングが、食事だけの場所にならない
わが家はダイニングからテレビが見えます。テレビのためにリビングへ移動しなくても、食卓に座ったまま画面へ視線を向けられる。食事の前後に少し腰掛けるときも、ダイニングがLDKの中の居場所として使いやすくなります。
ここは図面上の距離だけでなく、テレビの向きと椅子の向きが大切です。ダイニングから見たいなら、平面図に視線を一本引くだけで、壁やキッチンが遮らないかが見えてきます。
4.L字でも、空間はむしろ広く感じる
L字型は、角があるぶん狭く見えることもあると言われます。ところが、わが家では逆でした。キッチン・ダイニング・リビングが完全には重ならず、それぞれに居場所があるのに、床と視線はつながっています。
一度に全部を見せる一直線の広さとは違い、向きを変えた先にも空間が続く。その奥行きが、実際の面積以上の広がりとして感じられます。L字型だから広くなるのではなく、壁、家具、窓、視線の抜けがうまくつながったときに、この良さが出ます。
I型とL字型、住み方で比べる
ここからは、わが家のL字型を正解として押しつけるのではなく、代表的な形を短く比べます。なお、LDK全体の形とキッチン本体の形は別です。L字型LDKにI型キッチンを置くこともできます。
| 形 | 暮らしやすさの強み | 先に見たい弱点 |
|---|---|---|
| I型 LDKが一直線 | 端まで視線を通しやすく、一体感を出しやすい。家具配置も比較的組み替えやすい。 | 横長になると端から端が遠い。キッチンの手元や生活感が見えやすい。 |
| L字型 一角だけ向きを変える | 食事とくつろぎを緩やかに分けやすい。横並びDKを組み込みやすい。 | 角度によって死角ができる。テレビ、ソファ、窓の位置が限られやすい。 |
| 分節型 LとDKを壁などで少し分ける | 料理のにおい、音、来客時の視線を切り替えやすい。 | 同じ面積でも区切られて見える場合がある。家族の気配も薄くなりやすい。 |
| コの字型 庭やテラスを囲む | 外部空間をLDKの中心にしやすく、複数の景色をつくれる。 | 外壁、窓、構造、空調、動線の計画が複雑になりやすい。 |
I型の強みは、やはり見通しの良さです。リビングからキッチンまで一続きに見せたいなら分かりやすい。一方、L字型は空間を切らずに、居場所だけ少しずらせます。僕はこの「近いけれど、全部が同じ向きではない」距離感が気に入っています。
L字型にする前に、図面へ置くもの
L字型が暮らしに合うかは、部屋の輪郭だけでは分かりません。次の5つを実寸で図面へ置くと、良さと弱点がはっきりします。
- ダイニングテーブルと椅子:椅子を引いた後ろを、配膳する人が通れるか
- キッチンの出入口:冷蔵庫や収納の扉を開けたとき、横移動を塞がないか
- ソファ:背面が主動線を切らず、座った位置からテレビが見やすいか
- テレビ:ダイニングとソファの両方から見たいのか、リビングだけで見られればよいのか
- 窓と照明:視線の抜けをつくりながら、画面への映り込みや眩しさを避けられるか
横並びダイニングは便利ですが、キッチンとテーブルを横に並べる幅が必要です。近づけすぎると、椅子、収納扉、人の通路が一点に重なります。LIXILはキッチン通路の検討例として、人が通るだけなら60cm前後、キッチンではお盆を持って通ることを考えて80cm前後を案内しています。これは一律の正解ではないので、使う家具と家族の動きを重ねて施工会社と決めます。
L字型が合いやすい人、I型も見たい人
L字型が候補になりやすい
- 配膳と片付けの距離を短くしたい
- 横並びダイニングにしたい
- リビングを少しだけ別の居場所にしたい
- テレビや家具の定位置を早めに決められる
I型・分節型も比べたい
- LDKの端まで一直線に見渡したい
- 将来の模様替えを優先したい
- 料理のにおい・音・手元を隠したい
- 単純な矩形の方が敷地や構造に納まりやすい
僕なら住宅会社へ「L字型にしてください」とだけは伝えません。キッチンとダイニングは近くしたい。食卓からテレビも見たい。リビングはつながりながら少し向きを変えたい。そう伝えます。目的が言葉になっていれば、I型の別案が出てきても同じ基準で比べられます。
よくある質問
L字型LDKは狭く見えませんか?
角や壁で視線が切れると、狭く感じる場合があります。一方、床材や天井をつなげ、斜め方向へ視線が抜けると奥行きが生まれます。わが家では後者で、L字でも広く感じています。
横並びダイニングのデメリットは?
横幅を使いやすく、テーブルの位置によってはキッチンへの入口が遠回りになります。椅子を引いた状態、冷蔵庫と収納を開けた状態まで図面へ置くことが大切です。
まとめ|わが家は「横並び+直角」がちょうどよかった
わが家のL字型LDKで満足しているのは、食事の支度と片付けが短い横移動で済み、ダイニングからテレビが見え、3つの居場所がつながりながら空間に奥行きが出るからです。
I型にも、L字型にも、分節型にも良さがあります。決め手は形の名前ではなく、毎日いちばん繰り返す動作です。僕なら、候補の図面へ同じ家具を置き、料理を出す線、食器を戻す線、テレビを見る線を引きます。3本が素直につながる形なら、住み始めてからも好きでいられる可能性が高いと思います。
間取り図で家具と家電を置くときは、「新築コンセントの位置を間取り図から決める方法」も一緒に見ると、LDK完成後のコード問題まで減らせます。

